はじめに
ついに来年が近づいてまいりました。皆様どうお過ごしでしょうか。
ベストバイで今年を振り返るブログを読んで、こんな感じで一年を振り返るのいいなぁと思ったので、買い物ではなく作ったもので僕は振り返ってみようかなと思います。
なんなら何を今年買ったのかももう覚えてない。僕の脳はもうしなしな。
No.1 伊賀鎬を真似たぐい吞み
間違いなく今年作ったもののなかで一番気に入っている。完成したのは10月。
今年は博物館にいろいろ行ったり、色んな作家さんの作品を調べたりしたけど、その中でもビビっと来た新学さんの伊賀鎬を真似たやつ。YouTubeに上がってた本人解説(?)を見ながらやったけど、かなり難しかった。
土は黒南蛮土で白ナマコ釉を内側に施釉した。これは黒南蛮だったらどうせそんなに白く発色しないだろと思ったのと、白ナマコがマイブームだったからなんとなくでチョイスした気がする。外側は透明釉。
これ、本当に気に入っていて、ひびであったり凹凸であったり、我ながらいい感じになったなぁと思っている。ちょっと飲み口が太めなのも味になっていて気に入っている。白ナマコ釉のチョイスもすごくよかった。焼酎を飲む器として作った訳だけど、実際に氷と焼酎を入れるとすごく白と青が映える。
今後、この方向性で、またちょっと違ったやつを生み出せたらいいなぁと思っている。
上の画像は現在製作中のやつ。これを作る前に地元のいつもの野郎どもと、どうしたら作家さんのやつみたいに美しくなるのかについて6人で大激論を交わしたのもいい思い出。
No.2 銀彩釉お茶碗
もう作れないやつ。完成は10月。
後輩が石と化して死んだはずの銀彩釉が実は虹彩を出すという大発見をしたので、それにタダ乗りしたやつ。胎土は透光性磁器土。のはず。というのも多分僕の作品のはずだけど、見れば見るほど僕のじゃなかった気がしてくるんだよな。削りが終わった段階でメチャクチャ綺麗にできたとは思ったけど、こんなに綺麗だったかぶっちゃけ怪しい。自分の作品が消えたと思っている先輩がどっかにいるかもしれない。その時はマジですみませんでした。
銀彩釉は生産終了してる上に残量もほぼなかったためもう作れない。どうやら中国から輸入してた原料がなんだかんだで輸入できなくなったせいっぽい。悲しい。
ちなみに多分釉薬のせいで透光性はない。
No.3 黒泥しずく型イヤリング
しずく型にこねた黒泥に白ナマコ釉をかけたやつ。完成はこれまた10月。
焼くときは金具を通してる穴にアルミナ棒を突っ込んでぶら下げた状態で焼いた。思ったより収縮したためギチギチになっててアルミナ棒から取れないかと思って激焦りしたけど後輩が剥がしてくれた。
宇宙みたいな釉調としずく型っていう形がかなりお気に入り。去年から作ってた陶器イヤリングシリーズだけど、イヤリングのために成形したのはこれが始めてかも。
金具の部分がもうちょっとデザイン凝れたかなぁと思っているものの、かなり気に入っている。また来年も同じようなの作りたい。
No.4 ナナメになる箱型花器
前述の新学さんの父、新歓嗣さんの作品を真似たやつ。調べてみたら最近同じようなの作ってる人がそこそこいた。完成は7月。
赤土のタタラを6枚正方形っぽく切って、それをくっつけて、角を一つ叩き潰して作った。型紙とかをしっかり作って正確に作った訳ではないが、個人的にはかなり満足のいく仕上がり。釉薬は埃かぶってた志野釉と酸化ビードロ釉。この写真ではわかりづらいけど酸化ビードロの緑が結構いいアクセントになってる。想像より薄めではあったけど、実際に飾ってみると案外良い感じ。あと斜め置きについては何個か作った内でもこいつはかなりバランスが良かったが、個体によっては超繊細な重心コントロールを要求するものになってしまったのもあった。
想定は葉物。つる系とか。下の写真は別個体だけど、かなりいい感じ。
No.5 孔雀色のぐい吞み
先輩が似たようなぐい吞みを去年作ってて真似たやつ。完成は2月。
はじめて珪孔雀マットキラキラ釉を施釉したやつ。太陽光の下ではキラキラとラメみたいに光る。赤土。これの出来栄えに感動してこの釉薬は追加で注文したけど、この時の発色はいまだに再現できていない。これがビギナーズラックか。
釉薬のサンプルかよってくらいキレイな発色とシンプルなフォルムが良い感じ。ただちょっと小さい。日本酒だったらいい感じかも。これは同期が買ってくれて、そいつは俺の作品の中でもめちゃお気に入りのやつを複数買っていった。センスのいいやつだ。
No.6 壺持ちの人形
去年気まぐれで作ったら即売れた人形ちゃんに壺を持たせたやつ。完成は2月。ちなみにその去年買っていってくれた人はフェンシング部時代の先輩だったらしい。言ってよ。
これまた珪孔雀マットキラキラ釉。いい感じの発色だけど棚板にはくっついた。壺はちゃんとロクロで成形している。針まで使って頑張った。もう一個作ったけどそっちは五条悟になってしまった。
しかも製作時はまだ早バレでTwitterが大騒ぎになっただけで単行本には収録されていなかったため、部内でネタとして昇華することもできず、シンプルに真っ二つになっただけだった。悲しい。
ちゃんと生き延びた方は学祭で販売した際にタンポポかなんかを持たせたが、しなびたタンポポを肩に背負ってうつむく人形ちゃんの背中にはかなりの哀愁が漂っていた。誰かに買ってもらえてよかったね。壺の製作がだるかったので印象に残っているのと、なんとも寂しい姿がお気に入り。
No.7 白銀天目の花器
ネットの海から探り当てた陶芸材料店から届いた白銀天目釉の花器。完成は2月。ぼこぼこした形とメタリックな釉調がかなりマッチしていてお気に入り。
ネットで見つけた陶芸材料のお店から取り寄せるのは2店舗目だけど、ここのサイトは特に更新されてない感がすごかったのでかなり怖かった。ただ届いた釉薬は個人的にかなり気に入ったものばかり。よかったよかった。
口がメチャクチャ薄いのと、全体の重量がかなり軽かったはず。結局花器はシンプルなのが一番好きだけど、こういう感じの個性の出し方ならアリなんじゃないかなと思っている。
No.8 透光性の翡翠おちょこ
全体的にめっちゃ薄くて光が透ける。完成は10月。
新しく仕入れた透光性磁器土のテストとして作ったやつ。釉薬は翡翠結晶釉。側面に若干の結晶が見える。これは限界まで薄く作ったので、ちゃんと携帯のライトとかで照らすと光が透ける。だから何?いままででトップクラスに綺麗な形にできたと思っている。売らずに自分で日本酒飲むようにしたらよかったかなぁ。ちなみにこれを買った人には光が透けますみたいなセールストークをしなかったと思うので、今これを持っている人はたぶんこれが透光性を持つことを知らない。隠しギミック。
No.9 黒泥ナマコ釉マグ
学祭で販売したところ開場から10秒くらいで売れたマグ。完成は10月。
二種類の釉薬と長石をごちゃごちゃしてる。海鼠模様が青から緑にシフトするのがお気に入りポイント。内側の海鼠模様もかなり綺麗に出ていて良い。
後輩からもかなりいいねって言ってもらえてうれしかった記憶がある。
こういうぷくっと膨らんだ液溜まりみたいな作品を狙って作れるようになりたい。すごくかわいいので。ただ一歩間違えたら釉薬鬼垂れ棚板ドロドロ大戦犯になるためあんまりチャレンジできない。悲しい。
No.10 ミニチュアのコーヒー
釉薬が粉末状から液状になってガラス化するなら液体の代わりに釉薬を詰めたらいい感じに液体を再現できるんじゃね?と思い禾目天目釉を詰めこんだミニチュアのコーヒー。コーヒーのミニチュア。完成は5月。
ちゃんと本体はロクロで製作し、取っ手も本当にコーヒーカップを作るときと同じ手順で作っている。変なところのこだわり。本当はもうちょっと真っ白な磁器っぽいカップになってほしかったけど無理があった。ただ液体の再現に関しては結構いい線行ったと思ってる。いいチャレンジだったなと思っているのと実物がかなり可愛かったことでお気に入り。
おわりに
どないやったでしょうか。自分としては今年は思っていたより数作ってないんだなといった感想でした。今年だと思ってたら去年の作品だったとか結構ありましたし。あとは10月の追い込みがすごいですね。さすが学祭直前。ここに載せたほかにも形がきれいなやつとかは結構あるんですけど、思い入れというか、作ってよかったなと特に思ったやつを10個振り返ってみました。来年も振り返れるくらい陶器作りたいです。ほな。
この記事はChoice65 + Durock Splash Brothersで書きました。